日記
日記や短文です。
たぶんよく出てくる人
くにぞう:ダンナ
カワハラ(まゆちん): 川原真由美(23年来の友人のイラストレーター。
『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』の挿絵も担当)
↓※日付はまた、上から下に向かってです。
[2011年10月上旬]
10月1日(土)
「冷えとりのお話寺子屋」のために、
私とカワハラ(お手伝いしに)は、早めにモーネへ。
昨日井上さんに、
「簡単なものでよかったら、ここで食べる?」
と言われてて、朝食まで出していただく。
おかあさまの焼かれた英国式のスコーン!
前にも頂いたことがあるのだけど、焼き立ては、もう!!!!!
さっくり、しっとり。ほんとうに絶品。
コーヒーは、セイケンさんが入れてくださった。
すばらしい朝食…。
寺子屋は、ほんとうに楽しかった。
18名くらいの方?に参加いただいて、
かえるちゃんの梅醤番茶や、かすていらをいただきながら、ワイワイお話。
話が脱線して、いろんな方向に行ったけど、よく笑った。
明るい方がたくさんいらして、さすが関西!という。
ここモーネの「グラフィック工芸コース」の
生徒さんや、卒業生の方も何人か参加してくださってたのだけど、
みなさん、いい方で盛り上げていただいた。
笑うって、体にもとてもいいと思える。
そうできない時もあるけど、
できれば、なるべく長い時間を、笑って、生きていきたい。
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午後からは、ギャラリーのほうへ。
他の用事などもあって、ずっとはいられなかったのだけど。
モーネのほうで撮ってくださった写真を、
すでに扉でリンクしましたが、
私も数日、写真を撮ったので、ところどころ載せてみます。
全体の横の壁には、てぬぐい達。
手前のテーブルは、以前モーネで江里子さんが展覧会をした時の、
12のテーブルを、同じような形で展示。
それぞれにジャンルの違う作品を並べました。
たとえば、あるテーブルには「柏」の扇子。
同じく「柏」のテーブルランナーや、栞、コースター。
12ケ月ごとの文様を江里子さんがデザインし、文箱に仕立てたもの。
(さっきの展覧会は、これを12のテーブルにひとつずつ並べたものです)
中には、それぞれ違う作家さんの作品などが収められている。
いっこ出てるのは、ブローチかな?
(中が見れるように、開いてます)
漆のコースターの上に(この写真では見えないんですけど)、
小さい日本の文様が入った作品。素敵です。
「柏」のさまざまなポチ袋。
ほんとうに江里子さんは、
日本の伝統文様のアレンジ、デザインが、素晴らしかったと感じる。
オーガニックのタオル「天衣無縫」の
テキスタイルデザインも手掛けていた。大人っぽい。
漆の作家さんの作品を入れる袋物。
江里子さんが、自分の作品集としてつくっていた
「kashiwa book」を壁一面に展示。
このページ割りやデザインも、素晴らしいのです。
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隣の小さいほうの部屋には、
壁に寄稿(友人、知人からの思い出の文)と花のスケッチのコピーを並べて。
たぶん江里子さんのことを知らない若い方々も、
長いこと、熱心に読んでくださっていたのが、とても嬉しかった。
スケッチの現物は、アクリル板をはめた展示台に。
(静電気で浮き上がっているものも)
病気がわかってから、
モーネの井上さんや、私に届いた江里子さんの手紙達。
江里子さんがブックデザインを手掛けたたくさんの本。
手に取れるように窓辺の机に。ちょうどいい光がさしている日。
まだ在庫があるもの限りの、「柏」の販売コーナーの一角。
古い着物の柄などからデザインされたポストカード達。美しい。
搬入の際には、
インテリアのデザイナーの真喜志さんが
会場構成を、キリッと美しく際立つようにしてくれた。
ほんとに、その腕はすごいと思う。
そのために作品をそうそう少なくしぼったのに、
会場全体を見回すと、こんなに作品達があるんだと思った。
(この写真達は、展覧会のところどころピックアップしただけ)
江里子さんは、ほんとうに幅広いジャンルにわたって、
たくさん、いい作品をつくってきたのだ、と改めて思わされた。
柏木江里子の、これからのデザインが、もっと、もっと見たかった。
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夜には、ちょっと前に決まったんだけど、
小さなオープニング・パーティをすることになり、
かえるちゃんとこまっちゃんが、すばらしいお料理をつくってくださった。
(ちゃんとメモってなくて違ってたら、ごめんなさい!)
里芋の入った揚物、鶏のサラダ。
たしか、スモークされたサンマ。秀逸!
スモークする機械があるのですって。
どなたかの差し入れ、と聞いた気もする、ちらし寿司。
角煮に煮卵。
撮り切れてないものも多いけど、
いやー、どれもこれも、おいしかったあ。贅沢だ…。
そして江里子さんの友達の、柳家小春さん
(イラストレーターのイソノヨウコさんでもある)が、
着物姿で、三味線と唄を披露してくださった。
もう。素晴らしかった…。
イソノさんは前から知り合いだけど、三味線や唄を聴くのは初めて。
堂々と、空間に、響き、何かが降りてきたよう。
終わって、大拍手の中、
「江里子さんがいたねえ…」なんて言いながら、
数人でイソノさんを囲んで、涙ぐむ。
ご家族で東京から来られた、江里子さんのお父様のご挨拶もあり、
ほんとうに、心が伝わってくる声を聞いた。
信陽堂の井上美佳さんも、東京から来てくださって、
ご挨拶を聞いた後で顔を見ると、美佳さんも私も、涙だった。
ほんとにここ「モーネ」でできて、よかったと思う。
すべての人に感謝。
皆さんをお送りした後、
搬入チームで、お酒を飲みつつ、しみじみ話。
この日の、ライトに照らされた、
この空間のことを、たぶんずっと覚えているだろう。
10月2日(日)
2日目も、また朝食を甘えてしまった私とカワハラ。
おかあさまの茶がゆ。おもちを入れて。
初日の緊張がどっととけた体に、染み入るおいしさ…。
お漬物や梅干しや、ちょっと用意してくださったものも全部おいしい。
はー。心遣いがすばらしい。
寺子屋は、2日目。今日も楽しかった~。
今日のほうが、これから冷えとりを始められる、という方が多かったかな。
井上さんや、カワハラにも突然話を振ったりして、
いろんな細かい実感なども伝えてもらう。
東京で知りあったアマチュアのカメラマンさんで、
今大阪に住まれてる人が、なんと黙って申し込んでくれていて、
女性の中に、男たったひとりになってしまったのだけど、
なんか楽しんでいてくれたようで、よかったあ。
また、参加者の中で、
この野球ばっかりの日記(平謝り…)を読んでくださってたり、
私の本で、人生が変わった、
というようなことを言ってくださった方もいて、感激…。
体がよくなられて、ほんとうによかったです。
冷えとりに感謝です。
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寺子屋後。
また、こまっちゃんのまかない(天むすや、小さいちらし寿司!)を頂き、
ギャラリーにカワハラといた時、
入り口から入ってきた男の人が、
なんだかヨガ仲間で、イラストレーターの
谷山彩子さんのダンナさんに似てるなあ、なんて
ぼーっと見ていたら、えっ、えっ、えっ、本人じゃん!!!
東京から!!! 黙って!!!
「来ちゃったあ~」なんて、ふたりでニコニコ。
「やだー、やだー、もう。うれしいー。かっこよすぎるよー」
なんて騒いでしまった私。
遠く離れたところで、友達が不意打ちで来てくれるって、
どんなに嬉しいことかとわかった。
せっかく来てくれたので、カワハラと4人で
モーネのすぐ向かいにあるカフェ「ソングバード」さんへ。
ここは、モーネおすすめのカフェで、
かえるちゃんの「かすていら」も期間限定で、今こちらで食べられたり。
コーヒー(いろんなお店の豆が選べる)も
ケーキも食べ物も、すっごくおいしいカフェだった。
モーネに行かれた際には、ぜひ。
谷山さん達は、京都もちょっと見て回れたようだ。
ぶらっと来てしまうなんて、素敵な夫婦だなあ。
ふたりを見送って、モーネに戻る。
********
夜。カワハラと新幹線で、東京へ。思い出話をしながら。
カワハラには、ほんとーーーに、あんなことから、こんなことまで、
すっかりいろんなことを手伝ってもらって、
何とお礼を言っていいか、わからないくらい。
しかも、私がいろんな準備でちょっとテンパってるから、
こっちが言う前に、これが必要かな、とすっと動いてくれてたり。
あの子は、えらい子だよおお…。
10月6日(木)
メールで、2冊の本の重版のお知らせを頂く!
「冷えとり毎日」のほうが12刷で、
「グッズとごはん」は、4刷になるそうだ。わああ…。
激動の京都への2回旅(次週も行く)の、ちょうど間に届いたお知らせ。
ほっとして、気が抜けて、体はぐったりしてる最中、
なんだか、ごほうびのように感じる…。
みなさま、ありがとうございました。
10月8日(土)
また京都へ。
今度はひとりで。でも明日くにぞうも、来てくれる。
今晩私は、奈良へ行くのだ。
最初の広告事務所の
コピーライターの先輩とその奥様(それぞれ、ブログされている)が、
今、奈良に住まれてて、
泊まりにおいで、と言ってくださって。
(おふたりは、展覧会にも初日に来てくださった)
奥様は、ほんとーーーーーーーに、お料理上手。
しかも、いちからつくられてるものが多くて、尊敬する。
駅まで車で迎えに来てくださって、
玄関でワンちゃんとネコちゃんのお出迎えを受け、
用意してくださってた夕食を頂いた。
(これまたメモってなく、間違ってたらごめんなさい!)
豚のトマトソース煮。たしか私と同じ「まほうなべ」で? やわらか!
しかもトマトソースは、夏に完熟のトマトから手づくりされたものを、
たくさん冷凍庫にストックしてあるんだとか。甘いです~。
いんげんのゴマ和え。
私と全然違う味で、おいしかったあ。
こうじ漬け。今世間で、流行ってもいるみたいですね?
ちょっと甘辛で、初めての味わい。 「みょうが」が、いい!
鶏と野菜の煮浸し。
これも「浸しておくだけで簡単なのよ」なんて言われる。
なすとか、じゅわっとしみてて、うまっ!
ソーセージとキャベツのスープ。
ソーセージは市販だが、こだわってつくられてるお店まで、
わざわざ買いに行かれるそう。味が深い。
栗ご飯~。大好き~。おーいしいーーー。
ごぼうも入っていたかな?
そして、栗の渋皮煮。
奥様は、私が気絶しそうな量(20キロとか、30キロだったかな?)の
栗を農家さんから譲ってもらって、
全部包丁で皮をむき、
渋皮煮から、栗ご飯、マロングラッセまでつくられるらしい。
クラクラ…。
私、去年か一昨年、久々に1キロ?の栗をむくのに、
もう最後には手が痛くて、放棄しようかと思ったほどなのに…。
この渋皮煮。絶品……!!!!!
あったら、いくらでも全部食べてしまいそうだ。
(後で、東京に送っても頂いた。泣きそう~)
前からブログを時々覗いていたので、だいたいはわかっていたけれど、
「こんなにお料理上手な奥様で、ほんとに幸せですよ!!!
こんなにつくれる人いませんよ!」
と先輩のほうに、かなり念を押しておく(笑)。
10月9日(日)
朝、奥様とふたりで、ワンちゃんの散歩へ。
空気が、気持ちがいいなあ。
帰って、手づくりのジャムでトースト。
これがまた!
イチゴ、ぶどう、青梅、完熟梅、ブルーベリー、こけもも………。
もっとあったと思うけど、全部手づくり。すごすぎるううう。
気になって全部味見させていただいた(笑)。おいしかったあ。
奥様は、ケーキなどのお菓子類もつくられてて、昨日も出していただいた。
(写真、撮り忘れた)
ギャラリーに行くまで、
午前中ちょっと、奥様が車で奈良を案内してくださることに。
当の先輩のほうは、宵っぱりの、朝寝坊さんなので、
「じゃあ、いってらっしゃーい」なんて、お見送りだ。
奥様だけが、先輩のお友達を案内する、
という事態がよく発生しているらしい…(笑)。
おうちは、けっこう中心部に近い場所で、
車を何十分か走らせると、もう東大寺のあたり。
私、修学旅行が京都でなかったので、生まれてはじめてなのだ。
東大寺、つくりが堂々としてて、素敵…。
奈良の大仏。おっきいー。
なにか思ってたより、とてもかっこよかったです。
そして、シカのいる奈良公園へ。
わー、ほんとに、いろんなところに、実にナチュラルにシカさんが!
かわいいと思ったけど、餌を見つけると、早!
いっきに取られてしまったぜ…。
そのあと、名物の柿の葉寿司を食べに連れていってもらったり、
素敵なおみやげが並んだ場所にも。
駅まで車で送ってもらって、お別れ。
ほんとに、よくして頂いた…。
ただただ感謝。
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モーネに到着して、ギャラリー担当のわかちゃんに
「大仏見てきたよー!」と報告。
夜。くにぞうとおちあって、調べておいた和食屋さんへ。
すばらしかった!
あうんの呼吸で、おふたりで調理されているのを、カウンターから見る。
京都はすごいなあ。
10月10日(月)
最終日。この週末に
東京からきてくださった先輩方にもお会いできてよかった。
ギャラリーが閉まる寸前の最後の最後に、
江里子さんと東京で知り会ったという女性
(自分の友人の家が、江里子さんちの近くだったとかで)が、
今関西に住まれてて、
偶然ネットで、江里子さんが亡くなったことや、
この展覧会のことを知り、駆けつけてくださった。
来れてよかった、と泣いていらした。
最後のお客様が、そういう方で、私たちも感激だった。
さて。終了…。
お疲れさまでした! とちょっといなり寿司などお腹に入れて、
(こういうのを用意してあるところが、にくいです)
モーネの皆さんたちと、搬出作業。
くにぞうも、手伝ってくれました。
最後にガランとしたギャラリーに戻ったのをみると、ほんとうに寂しかった。
でも、たくさんの人の思いが、たくさんの人の手に渡ったという気がする。
自費出版した本も、嬉しい感想をたくさん頂いた。
そして、お見送りしてくれるみなさんに手を振って、
ほんとうにありがとう~~~と言いながら、モーネを後にする。
さみしいなあ。くにぞうが、いてくれてよかった。
泊まったホテルで、朝食がおいしかったので、夜もそこで。これまた絶品。
モーネでのご飯、奈良でのご飯も含め、
すべての食に、めぐまれまくった今回だった。
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夜、ニュースで楽天の4番、山崎武司が退団!のニュース。
会見を見ながら、号泣した…。
武司が…。
コーチにならないか、と言われたそうけど、まだ現役でやりたかったので、
どこか他球団でのオファーを待つそうだ。
ううううう。ほんとに、いろんな思い出をありがとう。
クライマックスでホームラン打って、
ノムさんとぶつかり稽古みたいに抱きあった映像を、
昨日のことのように思い出す。
ほんとに、ほんとに、ありがとう。武司。
10月11日(火)
京都から、私だけ実家の山口へ。(くにぞうは仕事で東京へ)
認知症で施設に入っている母に会いに。
(何度も書いてますが、母は冷えとりしたことありません。
まだ若い、元気な時に勧めてみたけど、
田舎の人だし、靴下とか「いやじゃ」と言って。それもそうだよねと)
年々、もう反応はとぼしくなってくるけど、
話せば、何か言ってくれる、手が温かい、
生きていてくれる、
そんなことにただ、ありがたいと思う。
空き家の実家に戻って、拭き掃除などできるだけやる。
従姉妹と夜ご飯へ。
そして近くに住む弟達のところで、お茶。
正月から会ってないだけだけど、
ちょっと会わないと、小学生のおいっこが、ぐんと大きくなってる。
10月12日(水)
今日もできうる限り、実家の掃除。
庭のすみっこに、初めて見る花が咲いていた。
何の花だろう。蓮にも似た。
新幹線で、夜遅く東京へ戻る。