2005年9月中旬

日記

日記や短文です。
日付は、下がいちばん新しいもの。



全体に休む、というモードで、のんびり過ごしています…。
すごくいいです。




[2005年9月中旬]


9月11日(日)

昨日だらだらしてたので罪悪感があったのか、
体調はまあまあぐらいだったのだが、
まったくふいに本格的な風呂掃除を始めてしまう。
(私の掃除って、いつも突然スイッチが入る)

日頃こまめにしてない分、ぐわ~っと。カビ取り剤も。
ずっと見てみないふりをしていた換気扇の中には、
ものすごいほこりが詰まっていた。ごお~。
まず割り箸でこそげおとすと、
けっこう楽にかたまりが落ちてきて気持ちよかった。
(なんかテレビでこういう掃除法、やってた)
こんなんでよく回っていてくれたなあ、と換気扇に感謝…。

必死にやりおえた夕方に、くにぞうが帰宅したので、
風呂を見せてほめてもらう。
そこから雨の中、ふたりで選挙に。
傘さして、近所の小学校の門をくぐっていく。
道々、私がいろいろと妙な政治の質問を発してたので、
くにぞうに「中では何もしゃべらないように」 と言われる(笑)。

雨の体育館は、懐かしい空気がたちこめていた。
傘を傘立てに入れる。
天井が高く、パイプ椅子に係の人が座っている。
くにぞうが券を差し出して、二人分の投票用紙をもらった。
小さかった頃の、そのままの匂いの体育館の中で、
もう私は大人になっていて、夫婦で投票している。
ふと自分が大人だということが空想のような、
異空間に迷い込んだような、不思議な気持ちがした。
この風景をたぶん、ずっと後まで覚えている気がする。
うまく言えないけど、そういう時が時々ある。
甘い匂いがするような、時間、空間。

そこから少し遠い和食のお店に。
展覧会が終わったので、ゆっくりする。
ひと仕事終わる、という幸福。
だから、みんな力を尽くすのだろう。




9月12日(月)

冷えとりのことで、女性誌「Oggi」の取材を受ける。ありがとうございます。
(ちょうど今の12月号に掲載されてます)

そこからカワハラ、くまちゃんと合流して、いくつかの展覧会へ。
しかし昨日、体調がまあまあなのに、ぐわーと掃除したり、
カビ取り剤の塩素を吸い込んだり、
(冷えとりしてから、年々こういうのに
かなり即、敏感に体が反応するように思います。
防虫剤などでも頭や喉が痛くなるので、薬的じゃないものを探し、検討中…。
まあ、体が早く出そうとしているということで、全体的には感謝 )
で、なんか今日は頭がぼおー、体調がふらーっとしている。
なので、拝見した後、すぐ別れて帰宅。

家では私が遅く帰ると思ってたくにぞうが、
「どうしたの?」とびっくり。事情を話す。
くにぞうは、ちょうど台所で 「おからサラダ」というものをつくっていた。
料理の本に載っていたのだって。
おからに胡瓜、ニンジン、玉ネギの生みじん切りを混ぜて、
マヨネーズで和えるもの。つくりながら、
「今度驚かそうと思ってたのに」 と言ってたので、ちょっと感動…。
一口もらったら、すごくおいしかった。
風呂に入り、楽健法で踏んでもらって、早く寝る。




9月13日(火)

昼まで寝て、また半身浴したら、なんかよくなってた。
冷えとりすると、こういうふうに小出しにいろいろ出てくるけど、
ちょっと養生するとすぐ回復して、
10年前みたいにどーんと風邪で寝込んだり、
薬を飲んだり、は全然ないので、とてもありがたい。

午後、HP作業。
夜、「電車男」を3話分見て泣く。
途中からはまって録ったので、最初から見ればよかったと思う。
伊藤君の純朴な感じにすごく引かれる。
エルメスたんも、あんな人がほんとにいたら、すばらしいと思う。
そして主題歌は、昔好きだったELOの「トワイライト」~! いいよね~。





9月15日(木)

今週はずっと、よく言えば、のんびり。
悪く言えば、だらだら、過ごしている。
すごい、いい感じだ。
私も22歳から広告の会社で、
フリーになっても、ずっとがーっと働いてきて、
少し次の人生のために、休みをとりたくなった。
今は、こういうふうにいたい。

夜は、キャベツとベーコンの蒸し煮、おからサラダの残り、
ぬか漬け、みそ汁など。




9月17日(土)

久々にふらっと、ひとりで散歩。
サンドイッチとカフェオレを買い、
近くの大学まで歩いて、構内のベンチで食べる。
サークルに自転車で来た大学生が、仲間に出会って
「先輩、来てた?」とか話している。
それぞれ悩みはあるんだろうけど、
大学生特有ののびのびした感じって、いいなあと思う。
まだ社会の重い何かがくっついてない人間。
私もその頃はそうだったと思って、ニヤニヤする。

でも振り返ってみても、あんまりやり直したいことはないかも。
人生のどの時代の自分も、わりに好き。
(そっから戻ってもう1回やるのもたいへんだし)
叶わなかったことも多々あるが、
「思い残すことなく」っていうことが、 好きなのだろう。
でも上には上がいて、その人はもっとすごい人生を歩んでいるはずだ。

みなさんも、思い残すことなく、いってください。

でも、それでも、ちがう道になった悲しみの中にも、
いい面が隠れてて、
そこにも、そこだけにしかない宝石があると思います。







近所の団地の中に、まだ古い花壇が残っていて、
雑然とした秋色の美しさになっていた。





9月18日(日)

広告をけっこうやめぎみにしたので、ほんとにゆっくり。
とにかく、まあ今は、
掃除が雑な家をきれいにしようと、今日は洗面所の大掃除。
洗たく機の中も、専用洗剤で。わー、汚いの、出てくるね~。

そしてたぶんそうかなーと思いつつ、
頭上の換気扇を開けたら、デジャビュのように
先日風呂場で見たのと同じほこりの塊が…(笑)。
「お前もか…」ってことで、またがんがん掃除。
まー、ちょっと疲れますけど、
きれいになると、ほんと晴れ晴れとした気持ちになるねー。

冷えとりの世界でも、ことさら運動を必死にするより、
家の中の掃除などをおっくうがらずにどんどんすれば、
かなり体も動いて、冷えも取れやすくなるし、
家もきれいになって、一挙両得とも言われています。
(運動がいけないわけではなく)
私はそういう努力が足りないと思うので、今、掃除をがんばりたい。




夜は、さんま、ピーマンと豚肉炒め、ぬか漬けなど。




9月19日(月)


友達のWちゃんにもらった五穀を入れて、ご飯を炊く。
(この夏、冷房で冷えてしまってから、冷えとりを始めた友達)
前にももらったけど、すごくおいしい。
あと納豆、鮭でお昼ご飯。

午後くにぞうと府中競馬場へ。
月曜なのに、盛岡のダービーグランプリがあるというので。
売り場が内馬場にしかないので、長い通路を通っていく。
「これ知らない人、あせるだろうね」と言っていたら、
絵に書いたように、千円札を手に持って、
猛ダッシュで走っていく男の人がいた。

パドックを見たら、武君の馬が断然ぽかったので、単勝を。
強かったです~。1着、カネヒキリ。
外に出て、内馬場からコースを見ると、
正面に背の高い、広いスタンドが見え、
美しい緑の芝のコースがすーっとどこまでも伸びている。
左手には沈みかけた太陽が、雲の中にけむっている。
柵にもたれて、しばらくぼーっとする。
生きていて、ふたりで、この風景の中にいられてよかった。


そこから、少しずつお料理がコースで出るおそば屋さんへ。
前に2回程行ったのだが、それぞれの肴に工夫があって、
どれも驚くほどおいしいものが、少しずつ。
(今日はサーモンの小さなお鮨や、ずんだ入りのおそばなどもあった)
調理場を見ると、てきぱきと無言で働くここの息子さんが見える。
一度運んでこられた時に、「ほんとおいしいですね」 と言うと、
照れ臭そうに「ありがとうございます」 と言われて、すぐ戻られた。
「ここの人、働いてる顔がみんないいんだよね」 と感動ぎみのくにぞう。

そして和のコースなのに最後は、
意外にも「赤ピーマンのムース」だった! おいし~(泣)
出口のほうへ進みつつ、調理場に会釈すると、
息子さんがにっこりした顔で頭を下げられていた。
会計はお母さん。「赤ピーマンのとか、ほんとにびっくりです…」と
喋ってたら、そういう斬新なものに不安があるのか、
「大丈夫でしたか?」と心配そう。
「いや、ほんとどれもすばらしいですよ。いい息子さんですね…」
と喋りつつ、なんでだか感極まってるくにぞう。
会計をすませて外に出たら、先を歩いていたのだけど、
これ絶対泣いてるわ、と思って顔をのぞきこむと、
ほんとに涙ぐんでいた(笑)。

「あの、料理に対するこころざしの高さが、もう…。
あんな息子いたら嬉しいよ、お母さん…」 とか、
勝手にあれこれ語っていたが、とにかくティッシュで鼻をかませた。
そば食べて泣くってどうよ、と思うが、こんな人でよかった。





9月20日(火)

お昼は、みそ汁、ごはん、鮭。そしてバナナ。
果物は冷えとりをはじめて、年々ほんとに少なくなった。
食べても、季節のものを少しだけ。
バナナを買うのは、すごくひさしぶりだ。
よく果物食べすぎると、背中が寒ーくなったり、
喉や頭が痛くなったりするが、今日は大丈夫だった。
(大丈夫だからいいってわけではなくて、
誘惑に負けてる私の弱いとこなんだけど)
まあ、たまにちょこっとだけ、ということで。 徐々に、徐々に。

夜、映画「黄泉がえり」をテレビでやっていた。
もう公開時に見てたのだが、また途中からつい見てしまう。
兄ちゃんとのキャッチボールで、やはり号泣。
あの兄ちゃん役の若い人、ほんとすばらしい…。極楽、山本さんも。
最後の剛君の「行くな」も、せめてあと数分、って思う。
思いが通じ合えた人と、いつもだらだらと
普通にいられることの、はかりしれない大切さを思う。