2011年9月上旬

日記

日記や短文です。




↓※日付はまた、上から下に向かってです。




[2011年9月上旬]



9月1日(木)

「いちにち いちにち」の部分入稿。
喫茶店で、川原と信陽堂編集室の丹治さん、美佳さんと。

以前「ひとりがけの椅子」でもお世話になった
凸版印刷の同じ担当者の方にも、何年か振りにお目にかかる。
この方は、以前江里子さんがブックデザインした
モーネの井上由季子さんの本(「文房具で包む」アノニマスタジオ刊)も、
ご担当だった方だ。
ゆかりのある人々で、進んでいく。





打ち合わせでは、事前に頂いた校正の、
江里子さんのスケッチの「花の線の出方」について話す。

私はもう去年から、何度もスケッチブックを見過ぎていて、
紙に筆圧の加わった、力強い、はっとするような線が、
自分の頭の中に、
映像として、できあがってしまっているよう。

それは、なんというか、「印象の世界」であるのだけど、
このスケッチの生き生きした感じを、
具体的に印刷に反映してほしい、というのを、
どうにか伝えなければいけない。

それは私が言ったほうがいい、ということで、
家で何回も花の絵を見て、考えていた。
それを素人(コピーライターなので、ちょっと専門外なのだ)ながら、
凸版さんに一生懸命お伝えしてみる。

快く「やってみます」と言われ、
さらに「もっと気になっている部分があったら、
一緒にやりますから、教えてください」とまで言ってくださり、ほっとした。










9月2日(金)

展覧会のDMを「」さんにお届けする。
「楓」さんは、青山にある器のお店。

ご無沙汰していたが、
うちにある器は、楓さんので買ったものも多くて、
日記の夕飯の写真にも、ずいぶん登場してると思うけど、
ずっと使わさせて頂いている。
器のセレクトも、たたずまいも、ほんとに素敵なお店。

私は知らなかったが、
ずっと以前、ここで江里子さんの展覧会もあったのだ。
ご店主の島田さんとも、久しぶりにお話できてよかった。
江里子さんの思い出話をして、お互い、ちょっと涙目に。

ブログですぐ展覧会のことを紹介していただいていた。
ありがとうございました。



      *********



今日くにぞうの誕生日だった。51歳に! おー。(私より3歳上)
が、展覧会と本のことでバタバタしていて、普通の夜ご飯だ。
でも、普通のご飯が、一番おいしいかも。
と、この頃思う。











9月3日(土)

またカワハラに文字の直しなどを送って、電話打ち合わせ。
連日、何やかやと考えることが多かったのか、
夏の疲れなのか、
体がどんより重い…。

半身浴を長くし、長く寝る。










9月5日(月)

寝たら、翌日は大丈夫だった。
ほんとに冷えとりは、すごくありがたい。


こないだ雨天中止で大がっかりした、戸田球場へ、
くにぞうとリベンジ観戦。
土手のそばにある球場で、かなり草野球っぽい。
でもホームベースの後ろに、新しいスタンド席がつくられていて、
高い場所から見下ろせるようになっていた。

コアなファンが集結した感じで、騒いだりしている人はいない。
スコアをつけている人もいる。
2軍は、1軍とはほんとに違う世界で、おもしろい。










9月6日(火)


カワハラ宅へ、校正を見に。写真の色味についても話す。
もうちょっとこういう感じ、というのを
カワハラに口頭で伝えて、指示を書いてもらう。



     ***********



遅くに帰ってくる、くにぞうのご飯の一部。
今年初のサンマ。焼きナス、ぬか漬け。
(あと何したんだったか、思い出せず…)














9月7日(水)

今日はカワハラ宅で校正を見るので行けないと思っていたが、
はたと、昨日見に行ったので、もう今日はいいんだ、と気付き、
ついムクムクと西武第二球場(2軍)へ途中から。

どんだけ行くんか…、私。
しかも、今日はひとりで!

でも2軍だと近くで見れるし、
鉄平がいつ1軍に戻ってしまうかわからないし、
関東での2軍の試合はあと数回だから、必死に行ってしまうのだ…。



ここは、けっこうな人がいた。
いきあたりばったりに出掛けたが、西武球場のすぐ隣の場所だった。
外野の外側も通路なので、
初めて、ライトの後ろから鉄平を見る。ち、近いです~(堪能)。


でもこういう位置からずっと見てると、
普通のゴロでも、
1塁への送球の際に、バックアップ(もし抜けたらカバーして取りに行く)に
いちいち動いているのがわかって、非常におもしろかった…!

暑くて汗ダクだったけど、日傘と気合いでなんとか乗り切る。
青春なのか、私は…。
西武遊園地経由の、ちいちゃい電車に乗って、
ぼーっと緑を眺めながら帰る。












9月8日(木)

「いちにち いちにち」の再校の打ち合わせ。
花の線は、前よりすごくよくなっていた。
とても微妙なことを、丁寧にやって頂けたよう。感謝です…。



その打ち合わせの後で、
カワハラに
「江里子さんの本をつくってる最中なのにさあ、
実は昨日、行ける、と気付いて、
急に野球を見に行っちゃって…」と話すと、
「え、全然いいんじゃない?!
自分の楽しみもしつつ、ちゃんとやってるんだから」
みたいなことを言ってくれて、ほっとする。

続けて、カワハラが
「『そういう考えは違うわよ、美詠子ちゃん! どんどん行ってね』
って、きっと、江里子さんなら言うよ」
とも言ってくれたりして、なんか、泣きそうだった。

友達というものは、すごいな。











9月9日(金)


夕飯に、八百屋で買った「とうがん」を煮る。
皮むいて、種を取り除いて、
思いついて、冷凍してあった「ポトフの汁」で。醤油を少し足して。

写真は、もう煮上ったところだけど、
ビタクラフトなら、全部が汁にかぶってなくても大丈夫。
特にとうがんって、すぐ煮えるから。







できあがり。
器は、友達のくまがいのぞみさんの。
もうすぐ11月に個展がありますよ。







他には、
朝、パンの時に残った野菜を刻んで、マヨとたらこで和えたサラダ。
(この器は、楓さんでこないだ購入したもの)






そして、サバのカレー粉焼き。
(ビニール袋にカレー粉と小麦粉、塩を入れてまぶし、フライパンで焼いただけ)
目先が変わって、よかったです。
(どうでもいいけど、もうちょっときれいに盛ってください…笑)













9月10日(土)



この週末で、関東での楽天2軍の試合が終わるので、
ひとりで、勝手知ったる、ロッテ浦和球場へ。
前のベンチに座ったおじいさん達が、
ひとつひとつのプレーに拍手をしていて、
ああ、こうやって応援するのが、ファンの鏡だなと思った。
鉄平のレーザービームも見れて、ほんとに、ほんとにいい日だった。










9月11日(日)

今日も最後の試合を、ひとりで観戦。
「あ、昨日来ていた、○○選手のファンの夫婦だ」とか、
見覚えのある人も、ちらほら出てくる。

鉄平はヒットで打点も上げ、ファインプレーにみんなが大拍手!
こっちのベンチにお辞儀しながら、帰っていってくれた。

試合後。今日は、現地解散みたいで、
ユニフォームでバスに乗り込むのではなく、
それぞれ私服でタクシーに乗ったりしている。

鉄平と平石、塩川選手(なかよし3人)は、
白シャツ姿でタクシーへ。かっこいい…。
きっと電車で移動する人は、白シャツとか、決まってるのかなあ。

あーーーーーー。これで全部終わった。
仙台の2軍の球場までは行けないので(笑)。
思い残すことはない。

思い残すことなくやるのが、
私のモットーといえば、そうなのかもしれない。











9月12日(月)

江里子さんにゆかりのある方々にお願いしていた
寄稿(思い出の文章)と、作品に対するキャプションが
ぞくぞくと集まってきて、その書式統一などの整理に追われる。
20名あまりの方に書いて頂いた。

しかし、これを読むと、
私の知らなかった江里子さんの姿が見えてきて、
いちいち涙ぐんだり、鼻をかんだりしてしまう。

ほんとうに、素敵な人だったのだ。











9月13日(火)

カワハラ宅で、最終の本のチェック。
写真の色味も、素晴らしくなっていた!
全部見終わって、信陽堂の井上美佳さんとお電話。
こんなに急ぎのスケジュールで、
トラブルもなく、ほんとにうまくいったことへの感謝をお伝えする。

美佳さんが、
「きっと江里子さんが、見ててくれてましたよ」
というようなことを言われたので、じーん…。
そうだろうと思う。

電話を切り、
カワハラと「終わったあああーーーーーー!」とバンザイし、
「ほんとにありがとうね」と言う。


カワハラが、
「この本をつくらせてもらえて、ほんとによかった」と言ってくれて、
すごくありがたかった。
いつものおいしい中華に行って、乾杯。

文字も絵も、何度も何度も何度も見ていたから、
(信陽堂のおふたりにも、くにぞうにも何度も校正してもらいました)
ほんとうに全部終わったのかと思うと、感無量…。




      **********




ご飯後、駅まで歩いていく途中で、月が出ていて、
カワハラが
「昨日ぐらいから満月だよね」と言うので、
「昨日から満月ってどういうこと?! 満月って一日でしょ?!」
と言うと、
「え、じゃあ、どこらへんが欠けてるの?」と言うので、
「なんとなく両サイド…?」と言うと、
「え?! 両側から欠けるわけないじゃん!!! 
月がなんで欠けるか、知ってる?! 
太陽のなんかで、片側から欠けるんだよ!」と逆転されてしまいました(笑)。
(その詳しい、満ち欠けのしくみは、知らないようだったが…)


そういえば、今日久々に「言いまつがい」が発生。
家に行った時、果物を用意してくれてて、
「果物ってさあ、あたりさわりがあるよね…」
と言っているので、
「えっ。それは、あたりはずれではないでしょうか…(笑)」と。
こんなカワハラさんだ。











9月15日(木)

トイレに入った時に、小さな地震が。
ぱっと出て、居間で仕事しているくにぞうを見ると、
「どした、揺れた?」と言うので、
「ちょっと揺れたよ」
と言って、トイレに引き返す。

トイレに戻ってから、
こんな会話ができる幸せを思った。

そんなことに、
いつも、いつも気づいて、感謝して、生きたいのだ。